想定以上に諸経費が掛かったけど、もっと抑える方法はないのですか?
タイ仕入れのコスト削減
■2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。
今回は、タイ国という海外で商品を仕入れて日本へ輸入する際に掛かるコストをいかに削減するかについて考えてみたいと思います。
ここでは、輸送コスト、関税、仕入れコストをいかに下げるかについてご紹介しております。
利益の圧迫原因であるコストを如何に下げてどうやって利益を上げれば良いか皆さまの参考になればと思います。
タイ仕入れのコスト削減 – 輸送コスト
タイ仕入れに限らず国際物流で最もネックになるのが輸送コストだと思います。
いかに輸送コストを削減出来るかが物販で利益をあげるコツの一つだと言えます。
一概に輸送コストを下げると言っても、様々な方法があります。
輸送コスト削減 – 航空便
航空便を利用した国際物流の場合、送料の計算方法は大きく分けて次の二通りで計算されます。
- 実重量
- 容積重量
タイ現地で重量の軽いものを仕入れたとしても、容積がかさばる物だと容積重量の方が重くなり、想定していた以上にコストが掛かってしまったという事になりかねません。
長さ(80cm) ✖️幅(40cm) ✖️高さ(30cm) ➗5000 = 19.2kg(端数切りげ) ≒ 20kg
商品が衣類で、箱に詰め込んだ後の実重量が12kg程度だとしても、箱のサイズを測った後の容積重量が20kgであった場合、送料は20kgで算出され、出荷時に想定した以上に送料が掛かってしまったという事が多々あります。
では、このような場合はどうすれば良いのでしょうか?
まず、箱は出来るだけ小さいサイズの物を用意します。
そして可能な限り商品を小さくした上で箱詰めします。
衣類の場合ですと、真空パック袋等を使って無駄な容積を削ぎ落とします。
一つ例をご紹介します、下の画像をご覧ください。
梱包箱の上部が余分に空いています。これが無駄です。
この余分な隙間も送料が掛かるという認識が非常に重要です。
かつ、商品のパッケージももう少し小さくする事が可能です。
今回の商品は衣類のパンツなので、限りなく小さくパッケージする事が出来ます。
その分、梱包箱も小さい箱を利用する事が出来ます。
最終的にこれだけスッキリ梱包する事が出来ました。
大きい梱包箱の容積重量が約15kgなのに対して、小さい梱包箱に変えた後は実重量が容積重量より重くなったので実重量の6kgで送料を計算します。
するとこれだけで送料が4,000円も安くなりました。
このように少しの工夫で送料のコスト削減が可能になるのです。
上の例えは衣類の場合ですが、中が空洞で箱物の商品の場合(例えばスーツケース)は、もし分解可能であれば分解してから梱包することをおすすめします。
もし分解不可能な商品であれば、次に説明する船便をお勧めします。
輸送コスト削減 – 船便
もしどうしても分解出来ないものは、船便で発送することを検討します。
時間は掛かりますが、その分大きなコスト削減に繋がります。
タイから日本へは3週間から1ヶ月近く時間が掛かります。
また、船便で発送する際には以下の二つの点に注意する必要があります。
梱包はしっかりとしたもの
船便で発送する際は、梱包はしっかりしたものでなければなりません。
なぜなら、コスト削減のための船便の多くはLCLという混載便で送る事になるかと思いますが、そうなると様々な他の商品と共に閉め切ったコンテナ内で1ヶ月近く共に過ごす事になります。
もし強烈な匂いを放つ物が混載便に紛れていた場合、商品に匂いが移る可能性があります。
商品に匂いが移ると、匂いを取るのに相当な時間と労力を費やす事になりますので、梱包はしっかり密封した状態で送るのが良いと思います。
保険に必ず入る
また、必ず保険に入ることをお勧めします。
以前、私が貿易商社で働いていた時、船が沈没してしまって商品が全て海の底に沈んでしまったという経験がありました。
その時は保険に入っていたおかげで、商品の権利を放棄する代わりに商品価額分は保険会社より支払われました。
船の座礁は稀にありますので、保険には入っておいた方が良いと思います。
タイ仕入れのコスト削減 – 関税
次に考えられるコスト削減と言ったら、関税ではないでしょうか。
国際物流で難しいのがこの関税の取り扱い方です。
関税は商品の素材や形態によってHSコードで細かく法律で定められています。
逆を言えば、関税さえしっかりと対策してしまえば、国際物流で利益を上げるのは難しくないのではないかと思います。
関税を削減する方法で、合法的かつ最も手っ取り早いのがタイ現地で原産地証明書を発行する事です。
タイで取得可能な原産地証明書は、JTEPAとAJCEPの二通りあります。
詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
個人輸入の関税と免税
商売輸入の関税と消費税
ただし、このタイで原産地証明書を発行するのには、タイ商務省で各種手続きをする専門知識が必要となるので、一般のタイのお店や工場で対応してくれる所は少ないです。
当社ではJTEPA発行を請け負ってくれる業者との取引があるので、関税を削減したい方はご相談頂ければと思います。
消費税について
海外から商品を日本へ輸入する際には、関税の他に消費税も支払わなければなりません。
この消費税の支払いについては、誰しもが逃れられませんので、コスト削減は出来ません。
よくあるアンダーバリュー(インボイス価格を下げる)は、いわゆる脱税ですので法律違反となりますのでやめましょう。
タイ仕入れのコスト削減 – 仕入れコスト
物販で利益を上げるためには、いかに安い商品を仕入れるかが勝負どころでもあります。
ここに仮にビジネスマンAさんとBさんがいたとします。
Aさんは工場から30個から仕入れて、Bさんは一般店舗から10個仕入れたとします。
それぞれ比較してきます。
※ここでは国際送料と関税・消費税などは考えないものとします。
ビジネスマンAさん
仕入先:工場
仕入れ価格:工場価格:1,000バーツ
仕入れロット数:30個から
仕入れ総額(30個):30,000バーツ
(日本円で約110,000円)
日本での販売価格:1個10,000円
11個販売した時点で元が取れ、残りの19個分が売れたら利益となる。
ビジネスマンBさん
仕入先:一般販売店舗
仕入れ価格:一般小売価格:2,000バーツ
仕入れロット数:1個から
仕入れ総額(10個):20,000バーツ
(日本円で約73,000円)
日本での販売価格:10,000円
8個販売した時点で元が取れ、残りの2個分が売れたら利益となる。
上記のように、ビジネスマンAさんとBさんを比較して考えてみると、Aさんは仕入れ総数30個ですが、仕入れ総額が日本円で約110,000万円なので、1個10,000円の商品を11個販売した時点で既に元が取れ、残りの19が売れたらその分が全て利益となります。
例え、在庫として売れ残っても既に元が取れているので赤字にはなりません。
一方、ビジネスマンBさんは一般店舗から総数10個を仕入れ、仕入れ総額が日本円で約73,000円です。
すると1個10,000円で8個販売した時点で元が取れますが、利益分となる残りは2個しかありません。
- Aさんはリスクが高いので、得られるリターンはその分多くなります。
- Bさんはリスクが低いですが、得られるリターンも少なくなっています。
タイ仕入れは手間がかかる
上記のように、タイ仕入れはいろいろと手間がかかります。
仕入れコストを低くするためには、工場から仕入れるのが最も効率が良いですが、ロット数が大きくなり、売れるかどうか分からない商品を数多く仕入れるのは在庫を抱えてしまうリスクが高いです。
一方、在庫リスクを抑えるために仕入れる数量を抑え、少量で仕入れると仕入れコストが高くなります。
ただそれでも最初は、少量を仕入れ、テスト販売で販売してみて、全て売り切れたら再度仕入れを行い、販売状況に合わせて徐々に数量を上げて行く方法が最も良いのではないかと思います。
まとめ
如何でしたでしょうか?
タイ仕入れで物販として利益を上げていくためには、利益の圧迫要因であるコストを下げる必要がありますが、コストを下げる方法はいくらでも考えられます。
あとはいかに工夫をしてコスト削減できるかに掛かっているかと思いますので、みなさんも色々工夫されて利益を上げて頂ければと思います。
当社でもタイ仕入れに関して会員制サービスを提供しております。
詳しくは、下記のタカラトレードからご覧頂ければと思います⬇︎
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