タイ人の気質

タイ人の気質

タイ人の気質

 
これからタイで生活していくことになったけど、タイ人てどういう性格なのかな。彼らと良い人間関係を築いていくにはどうしたら良いのかな。

■自己紹介
2012年よりタイに滞在中でタイ語通訳者の能勢です。


今回は、私がこれまでタイ人の家庭を持ち、タイ人と一緒に仕事をしてきた中で、感じた様々なタイ人気質について解説していきます。


これからタイ人と関わる事がある方に、タイ人を理解し上手く人間関係を構築出来る参考となれば幸いです。

タイ人の気質 – 長所短所

これまで私と同様に、もしくはそれ以上タイに長期間滞在されている方は、言葉には出来ないタイ人とは何かを理解されていらっしゃるかと思います。

これから私が、一般的なタイ人全体に言える特長を噛み砕いて説明してみたいと思います。

タイ人の長所

性格は基本やさしく、人が良い

タイ人は女性も男性も、基本はやさしいです。


例えば、我々日本人がタイで分からないことがあり、困っていることがあれば知らない人でも親切に教えてくれたり、助けてくれたりします。


日本人から見るとタイ人には多くの短所が目に付くかと思いますが、どこか憎めないのは、タイ人のやさしさにあるからではないかと思います。

生き物にやさしい

タイ人は命を大切にするのか、犬や猫、牛、虫までも命を大切にします。

タイ人が牛肉を食べないのは、牛肉を食べなければ牛は殺されないからと考えている人もいるためです。

タイのお寺では、牛を保護しているところもあります。

タイ人の気質
タイのあるお寺で保護の対象として繋がれていた牛


では、なぜ牛肉は食べないで、豚肉や鶏肉は食べるのかについては、
大きな疑問点が残りますが。

また、蚊やハエ・蟻・ゴキブリ・ムカデなど、日本人からすると害虫も、タイ人は殺そうとはせず、外に逃がそうとします。

いざとなったときは助けてくれる

タイ人は基本やさしいので、いざ困ったことがあると
なんだかんだ助けてくれる傾向があります。

しかも、助けてあげた事に対して報酬を求めてきたりはしません。

基本は善意で助けてくれるのです。

もし助けてもらったことに対して報酬を求めてきたりするタイ人がいたら、注意が必要です。

その場合は、善意で助けてくれたとは言えないです。

ただ、そういうタイ人は今までの経験から少ないのではないかと思います。

手先は器用

タイ人は意外と手先が器用で細かい作業など得意とします。


シルバーアクセサリーや工・民芸品の創作なども非常に綺麗に仕上がっています。


手先が器用なので有名なのが、ウボンラチャタニ県のキャンドル祭りではないでしょうか。


非常に細かな細部までこだわったロウソク彫りで、年に一度のキャンドル祭りで競い合います。


日本の北海道の雪まつりに参加して毎年優勝しているのが、このウボンラチャタニ県出身のロウソク彫り師たちです。

タイ人の短所

待ち合わせは遅れる

タイ人と待ち合わせをしても、タイ人は大体時間通りに待ち合わせ時間通りに来ません。

タイ人にとって待ち合わせ時間というのは大体の時間なのです。
大体その時間に着けば良いと考えています。

日本人感覚では、他人と待ち合わせをすれば
待ち合わせ時間の5分前には待ち合わせ場所に
着くように段取りをするかと思います。

そして、なんとしても待ち合わせ時間に
遅れないように行動すると思います。

しかしタイ人はあれこれ理由をつけて、

待ち合わせに間に合わない理由付けをします。
その代表的な理由とは、


「渋滞して間に合わない」です。


大概、待ち合わせ時間に来ないタイ人の理由としてはこれです。

そして、わざわざ急いで待ち合わせ場所に来るような行動はなかなか取らないです。

時間の重要性をそれ程意識していない

タイ人は人間の限られた時間の重要性をそれ程意識していないと思います。

日本人は一分一秒を大切にします。
正に「時は金なり」を理解されています。

しかしタイ人は5分10分の時間を無駄にしても何も思わないですし、
「時は時なり、金は金なり」という理解です。

分かりやすい例で言うと、
タクシーに乗ればコストは高いかも知れないですが、
短時間で移動が出来るものの、

バスで移動することで長時間を要し、
その分消費を抑えるという事を選択しがちです。

そして、待ち合わせに間に合わないといった事が起こります。
タイ人は時間を失うより、金を失うことの方が重要だと考えています。

日本人であればお金で時間を買えるのであれば、

無駄な仕事のタスクは他人に任せて、自分にしか出来ない重要な仕事に集中することを考えますが、

タイ人の場合は無駄にお金を払うくらいなら自分で全てやろうとします。


時間の節約をお金で解決しようと考えるタイ人は稀ではないかと考えます。

その証拠に、BTSやMRTには時刻表がありません。

タイ人はストレスに耐えられない

タイ人は、日本社会で感じるようなストレスを嫌います。

給与は高いけれどストレスを感じる職場なら、
給与が安くストレスを感じない職場を好みます。

給与を高く設定しているからと言って、
何でも指示を出しストレスを与え続けると、

引継ぎもなく簡単にタイ人はその職場から離れてしまいます。

グループを形成する

これは短所というよりも、タイ人の特徴と言えるかも知れません。

タイ人は気の合う者同士で、グループ作りをします。

何百人規模の会社では、お昼休憩時に同じ部署内でもいつも決まった者同士でお昼に行く光景をよく目にすると思います。


それは、気の合う者同士でストレスなくお昼を共に過ごしたいからです。

細かいことが苦手

これは長所でもご紹介した手先が器用と逆行しますが、タイ人は細かいことを考えたり細かい計算をするのが苦手です。


特に1バーツ単位でお金のやり取りをあまり重要だと意識していません。


それ以下のサタンになるとなおさらです。


以前筆者がゼブンイレブンで買い物して会計時にサタンがたくさんあったので、サタンで支払おうとしたら「細かいのはいいから」という事でとりあえず全てあるサタンを渡して会計を済ませた事があります。


お釣りがあるのか、もしくは足りないのかは分かりませんが、そういうところは細かく計算などしたくないのですね。


また、日本人の社会によくある組織体系の中で

  • ジェネラルマネージャー
  • シニアマネージャー
  • マネージャー
  • サブマネージャー

というように細かく役職分けしたとしても、彼らはそんなに細かな役職の違いをそれほど意識していません。


タイ人社会の組織構図をタイ人視点から考えるなら「層」で理解されるとイメージが付くのではないかと思います。

  • 経営層
  • マネージャー層
  • 現場層

ざっくり、このように考えています。

マネージャー層はオフィスでマネージャー層同士仲良くしていて、

現場層は、現場で現場層同士仲良くしています。

感情的になる

これは、多くの日本人の方が理解されているかと思いますが、
タイ人は感情的になり怒り出すと、爆発します。

ウドムスックでのバイタクグループのケンカ

先日、2019年6月15日にBTSウドムスック駅の近くで、

バイクタクシーのグループ同士50~60人のケンカがあり、
木の棒やナイフ・拳銃でやり合い、

20歳の若者1名が亡くなりその他多数の重軽傷者を出しました。

警察が来て制止しても止められず、互いに徹底的にやり合っていました。

原因はお客さんの取り合いです。


このように一度爆発してしまうと、警察でも手の付けようがなくなります。

意外と小心者

これについては賛否両論があるかと思いますが、

私が今までタイ人と関わってきた中で、意外に小心者だなと感じる事がありました。

それは、
・一度決定したことにいつまでも不安を抱えている
・勇気を持って、本音で聞けない
・思い切って大胆な決断・行動が出来ない

大きな決断や行動をすると、自分の責任や失敗を恐れて
結局何も出来ないという傾向があります。


要は自分に何か被害が被ることを極端に嫌う傾向があります。


自分への被害を最小限に抑えるがために、
大胆な行動や決断が出来ないのかと思います。


日本人であれば「賽は投げられた」と言って、
一度決定されたことは最後まで断行するという考えがありますが、


タイ人の場合は「投げられた賽はやり直せる」
と考えているかのようです。

タイ人との取引は要注意です。

タイ人の気質 – タイ人との接し方

結論から言いますと、下記のように接するのが良いかと思います。

  • タイ人には怒らないこと
  • 甘やかし過ぎない
  • えこひいきしない
  • タイ人はタイ人の社会に任せるのが良い。

一つずつ説明します。

タイ人には怒らないこと

タイ人に対して、感情的になって怒ることはしない方が良いです。
こちらが感情的になればなるほど、相手も感情的になってきます。


タイ人は、初歩的なミスを繰り返します。


ミスをする度「何でこんな事も理解出来ないのか」と、
日本人は思いがちですが、そこで怒らないことです。


初めから、タイ人は必ず初歩的なミスをするもの、
と考えられていた方が良いかと思います。

そのような初歩的なミスを怒るのではなく、


ミスをしない仕組み作りが重要と考えます。


もし、どうしても初歩的なミスを改善出来ない、
また、明らかな過失によるミスの場合、日本人ではなく


タイ人の上司に怒ってもらった方が、
怒られているタイ人も真剣に話を聞きます。

母国語で、心に響く怒り方をされた方が効果は高いと言えます。

甘やかし過ぎない

タイ人は基本的に考えが甘いので、その上甘やかし過ぎていては

それが当たり前と考えるようになります。

そうなると、社内で規則を厳しくしたときに、
それがなかなか浸透しなくなります。

例えば仕事がないからといって定時17時のところを、16時に切り上げて帰るようなこと毎週を続けていれば、


いざ業務が忙しくなったときに対応出来なくなります。


しかし、タイ人の会社でもそのように定時を1時間切り上げて

早く帰らせるという会社も確かに存在します。

そしてそれは、多くの働くタイ人に喜ばれています。

日本の会社みたいにガチガチな決まりに従う社風は
タイ人には向かないので、ある程度は融通も必要かと思いますが、

甘やかすのは程々にバランスを取られるのが良いと思います。

えこひいきしない

数人のタイ人部下を率いられている上司の方は、
タイ人の部下にえこひいきはされない方が良いと言えます。


昇格・昇給を検討される際も、誰が見ても明確な実績を元に
昇格・昇給をされた方が良いと言えます。


例えば、日本語が少しだけ出来るからといって、
日本人上司と仲が良かったりしただけで、
現場の生産性が著しく悪化します。


具体的に言うと、えこひいきされているタイ人は、
現場の仲間から、仲間外れにされる傾向にあります。みんn

そうなると、現場でのチームワークがばらばらになるので、
連絡ミスや確認ミスが起こったりして現場の環境が悪くなるので、

みんな平等に接してあげるのが、良いかと思います。

タイ人はタイ人の社会に任せるのが良い

決定的な権限は与えず、現場の管理や現場で発生した問題の責任などは、

全てタイ人同士で解決できるような仕組み作りにしたほうが良いかと考えます。

現場で働くタイ人は、日本語どころか英語もろくに出来ないタイ人がほとんどです。

そこで英語が出来る日本人がタイ人に指示を出しても、

どうしても意思の疎通に齟齬が生じます。

よほどタイ語が堪能な日本人でなければ、
現場のタイ人に指示を出したり会話をすることにより

意思の疎通を図ることは困難かと思います。

しかし、例えそのようなタイ語に堪能な日本人がいたとしても、タイ人同士の管理はタイ人に任せた方が現場は上手く回ることがあります。

注意点として

ここで注意が必要なのが全てタイ人に任せっきりで、日本人が一切現場を見ないというのはやめたほうが良いです。

あくまで要所要所は、日本人が見て回る程度でタイ人に任せることをお勧めします。

そうしないと、タイ人同士の間で不正が生じる可能性があります。

極端な実例

私が経験した極端な実例で説明しますと、

タイの工場でフォークリフトの資格を持って働く場合、
事業所毎にフォークリフトの実地試験と筆記試験を実施する必要がります。


そこで合格した業者のフォークリフトスタッフが働けるようになるのですが、


請負事業所のタイ人管理者と仲が良くないと、
他の業者が一切入れなくなります。


現場で何が起きていたかというと、


請負事業所のタイ人管理者が、フォークリフトの試験実施を全て管理していたので、仲の良い業者のフォークリフトスタッフを優先するべく、筆記試験問題の解答を、一語一句間違えないように答えないと筆記試験が合格できないといった、超難易度の高い試験内容になったのです。


さらに、もし仮に一語一句間違えないよう答えたとしても、最終的にフォークリフトの資格を与える・与えないといった権限は、試験実施タイ人管理者が決めていたため、

他の業者がフォークリフトスタッフとして働く方法は正規な方法では皆無でした。

もちろん、日系の会社ですが、タイ文字も読めない日本人は現場でそのような事が起こっていることなど知る余地もありません。


しかし、その担当日本人からは、フォークリフトの現場改善要求が出されているのです。


そこでフォークリフトスタッフとして働くためには、試験実施タイ人管理者に賄賂でも渡し、仲良くなる以外他に道はなかったと思います。


つまりタイ人は、自分に権限を持たされている事をよいことに業者と密着した関係になり、


賄賂を受け取ることで少しでも収入を上げることを
念頭に考えているのです。


そこまで現場のタイ人に全てを任せきりというのは
極端な例かもしれませんが、

日本人がまるっきり現場を見ないとタイ人の悪知恵で
至るところで不正の発祥の元となりますので十分な注意が必要です。

タイ人の気質 – まとめ

以上をまとめますと

  1. タイ人のやさしさを理解する
  2. タイ人は初歩的なミスをしがちという事を理解する
  3. タイ人の前では感情的にならない

以上です。


これからタイ人と関わり合いのある方の参考になれば幸いです。


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